猫泥棒と木曜日のキッチン
橋本 紡
日曜日に地震があった
富山県は台風の被害も地震もあまり心配ところという県でして
産まれて初めて感じる揺れにあんまりにも怖くて涙ぐんでました
幸い被害もなく家族も無事で能登の方に比べるとぜんっぜんましなんですがとにかく今でも余震で揺れたりすると涙ぐみます。
これ以上大きい揺れがきませんように!
産まれて初めての揺れだったので当然何が起こっているのか数秒間理解できなかったくせに体だけは机の下に動いていました。小学や中学で面倒くさいって受けてた地震避難訓練が体には染み付いていたわけです。
「猫泥棒と木曜日のキッチン」で健一君が理屈じゃなく体で覚えたものは強い。って言ってたけど本当にそのとおりだと思いました。
「猫泥棒と木曜日のキッチン」はその名のとおり猫泥棒をするお話です。泥棒をした理由。私はこの理由を知ったときにガツンと衝撃を受けたのでいいませんが口だけではなく実際に行動を起こしたみずきがとてもかっこいいです!私にはニュースで流れてたドイツで母親に育児放棄された白熊を安楽死させろと抗議している人たちとみずきが戦うおばさんが重なりましたし。
そして「木曜日のキッチン」は父母に逃げられた高校生みずきがお友達の健一君と5歳の弟コウ君の3人で木曜日夜は一緒に夕飯を食べるのですがその幸せな空間をニセモノかもしれないけどこれが私の家族と感じるところからきています。当たり前ですけど人は何歳であっても親になったり兄になったり姉になったり弟になったり妹になったり接する相手によってその表情を変えると思うんですよね。それが大人対子供でも逆になる。親はなんでそれに気づかないんだろう?と最近思うようになりました。子供は気づいてて利用してる子が多いように思えますし。なかなか面白いものです。
なんていうか結構重たい話題なんですがそれを感じさせない明るさがあって私は好きです。瀬尾まい子さんの「卵の緒」に収録されている2作品とどこか似た雰囲気を感じました。血のつながりは濃くもなく薄くもなく。当たり前ですけど家族って所詮は他人されど家族ですね。