さよなら渓谷
吉田 修一
砂を口の中にいれたようなざらざらっとした嫌な感触がした
半分まで読んでその気持ち悪さに耐えられなくてラストを読んだ
2度楽しめるところを1度しか楽しんでないのだから損をしたと思うけれど
「傷つけられた相手といればばれる心配はない」彼女がどれほど傷つき苦しんでいたかがそのひと言にあると思った。ラストで思わずほろりとさせられたけれど何故か後味が悪いと思った作品でした。悔しいのかもしれない。そうさせた相手を許したくないって思ってる自分がいて。
作中で自分の息子がレイプをしたらどうする?という質問の返事に怒りを覚えたのはこれも私が女だからなのかな?男と女でそんなに違うものなのかな?
逃れられない女、自分を赦せない女。私は作中に出てくる女の人になりうる可能性があると思う。思うからこそなお悔しい。私は幸せになりたいんだ!