阪急電車
有川 浩
いつか息子もこんな甘酸っぱい経験をするのかなぁ。
まずは図書館で見かけて読む本の種類が一緒なことから気になり始めて「今夜飲みに行きませんか?」で始まる恋愛話。いい!やっぱ好きな人と趣味が同じだと楽しい!
寝取られた恋人と寝取った女への復讐のために白いドレスで完璧なまでの化粧で挑んだ結婚式への出席。印象が強烈で読んでいるこちらの胸も痛くてたまらなかった。だけどここまでした彼女はすごい。私にはできなくて。できなかったからずいぶんと苦しんだから。息子よこんな男にだけはなってくれるな。
恋の始まりと終わりが各駅停車の阪急電車のホームなり電車の中で繰り広げられ折り返しの下りで彼女たちのその後が描かれてた。なんだか楽しそうな電車だな。明るくて楽しくて派手なようで家庭的で。コロッケみたいだな。いつか乗りたいな。
こういった本を読むと自分が今のまま過去に戻れたらと想像してしまう。過去に戻ったら息子に会えないのが嫌でその想像をやめるのも一緒。そう思うのは学生の頃もっといろいろしてこればよかったと残念に思ってるからなんだけど。
noceでパン屋さんと息子がデートにnoce使ったらいいねぇ、とか、その頃わたし達は何してるんだろうね、とか話してた。まだまだ遠く感じる未来。来ると信じてる未来。その時息子と仲良く話が出来てたらいいな。今を未来で残念に思わないように、うん、がんばろ。