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評価:
島本 理生
幻冬舎
¥ 1,365
(2009-03)
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好きだなぁ、と思います。
島本さんの小説の空気がとても。
わたしが一日で一番好きなまだ日も昇っていない群青色の空と遠くの踏み切りと電車の音がするあの透明な空気みたい。
読んでみてどれだけ恋愛小説を渇望していたかがわかりました。
ぐっと切なくなるこの気持ち。満足。
映画「SAYURI」を見て実はがっかりしました。ラストが。
なので「君が降る日」のラスト好きです。
恋人が車の事故で死んでしまった志保がその事故の車を運転していた五十嵐さんに対する最後がなんだかやりきれなくて。深い沼に落ちていくような恋愛を実際に経験していないからだと思うんだけど。一度は強く強く「側に居て欲しい」と懇願されてみたいものです。
「そして私は、真の軽薄というのは、責任を負いきれないものに対する安易な情なのだと気づいた」この言葉はずしんと来ました。そうなんですよね。結局はその人の側まで落ちる覚悟がない人がないのにえぇかっこしいの事が多々ある私はまだまだだなぁと島本さんに教えられた気がします。
「のばら」が特に好きだったんだけどもうひとつの作品の尻尾をつけた男の子がとにかく私には魅力的に思えました。ああいう男の人いいなぁ。